便潜血陽性
便潜血陽性
便潜血検査とは、便の中に目に見えない微量の血液が混じっていないかを調べるスクリーニング検査です。主に大腸がん検診として広く行われており、健康診断や自治体検診で受けることが多いです。
大腸の中に大腸ポリープや大腸がん、炎症などがある場合に出血が起こりその血液が便に混じることがあります。便潜血検査は、こうした出血の場所や原因を早期に捉えるための「きっかけとなる検査」です。
便潜血検査は出血の有無を判断する検査であり、一番の目的は大腸がんを早期に発見することです。検査を受けた人の5%程度が陽性となり、陽性の患者が大腸カメラを受けると30%-40%程度の方に大腸ポリープがあり、約4%に大腸がんが認められるとされています。
便潜血検査は簡便で体への負担が少ない一方、万能な検査ではありません。
陽性となった場合にきちんと精密検査につなげることが最も重要ですが、大腸がんを発見するという目的で考えれば精度が高いとは言えないため大腸カメラ検査が必要であるといえます。
便潜血検査は、多くの場合2回法で行われます。これは、大腸からの出血が毎日必ず起こるとは限らないためです。たまたま出血していない日に採取した便だけでは、異常を見逃してしまう可能性があります。
2回に分けて便を調べることで、出血を捉える確率を高める目的があります。
ここで重要なのは、2回のうち1回でも陽性であれば「陽性」と判断されるという点です。
「1回だけだから大丈夫」「もう1回は陰性だったから様子を見よう」と考えてしまいがちですが、1回陽性でも大腸カメラ検査は必要です。
これは、出血している病変が存在する可能性があることを意味しているからです。
便潜血陽性の原因はさまざまで、必ずしも重い病気とは限りません。代表的な原因を以下に挙げます。
便潜血陽性の方に対し大腸カメラを行うと最も多いのは痔や異常がないなどの結果です。しかし次に多いのは大腸ポリープのため、大腸カメラを受けるのが重要となります。それ以外にも潰瘍性大腸炎などの炎症が原因で、実は軽微な体調不良の原因であった場合もあり検査で確認することが大切となります。
また胃などの上部の消化管出血でも陽性となるため、症状や経過次第では上部内視鏡検査を提案することがあります。
便潜血陽性を放置する最大のリスクは、大腸がんが背景にあり、気づかないうちに進行してしまうことです。
大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどありません。症状が出たときには、すでに進行しているケースも少なくありません。一方で、早期に発見できれば、内視鏡治療のみで完治が期待できることも多い病気です。
また、大腸がんの前段階である大腸ポリープのうちに発見・切除することで、将来的ながんの予防につながることも大きなポイントです。ポリープ切除は比較的簡便で、体への負担も少なく済みます。便潜血陽性をきっかけに検査を受けることが、将来の安心につながります。
大腸がんは大腸の粘膜から発生するがんで、がんによる死因や発生率において上位になっており、日本では年々増加しています。これは初期の段階では自覚症状が少なく、本人が気づかないうちに進行してしまっているケースがあるためです。進行すると血便、腹痛、体重減少、貧血などが認められる場合はありますが、できる場所やがんの形次第では症状が認められない場合があります。
多くの場合、良性の大腸ポリープが時間をかけてがん化すると考えられています。またご家族で大腸ポリープや大腸がんの患者様がいらっしゃる場合、大腸がんを発症しやすくなるとされており注意が必要です。
早期発見・早期治療が非常に重要であり、早期の大腸がんに関しては日常生活への支障が少ない内視鏡治療で取り除くことができる場合があります。そのために大腸カメラ検査は診断と治療に関して有効な検査方法となります。
便潜血陰性の場合、排便時には消化管の出血の可能性が低いと考えられます。しかし出血は断続的でたまたま出血がないタイミングで検査した場合や、大腸ポリープや大腸がんが小さい場合や、できる部位によっては出血をしないことがあるため便潜血の結果に拠らずに定期的な大腸カメラ検査を続けることが重要です。特に検査が陰性でもたまに便に血がつく方、ご家族で大腸のポリープや大腸がんのある方、40歳以上の方は定期的な大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
便潜血陽性と言われた場合最も安全で確実な対応は、早めに大腸カメラ検査を受けて確認することです。
重大な病気が見つからないこともありますが、きちんと調べて「何もなかった」と確認すること自体が安心につながります。万が一、ポリープや早期がんが見つかった場合でも、早期対応により身体への負担を最小限に抑えることが可能です。
当院では内視鏡専門医により不安を和らげながら検査・診療を行っています。便潜血陽性を指摘された方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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