鎮静剤について
鎮静剤について
胃カメラ、大腸カメラ検査では近年鎮静剤を使用した内視鏡検査をおこなっている施設が増えてきています。当院でも鎮静剤を使用した苦痛に配慮した検査を行っております。
実際使用している薬剤としてミダゾラムという薬剤があるため今回お話します。またそれ以外の鎮静剤にプロポフォール、アネレムという鎮静剤がありこちらに関しても簡単に説明します。
日本消化器内視鏡学会による第7回偶発症調査によると、鎮静剤として最も使用されている代表的な薬剤です。種類としてはベンゾジアゼピン系であり鎮静などの効果があります。
同様の薬としてはジアゼパム、フルニトラゼパムなどがあるもののミダゾラムはその中では血管痛は少なく、効果も短いため使用が多くなってきております。また下記に示す通り2025年には内視鏡の検査に対し新規で保険適応となった薬剤でアネレムもあります。
ウトウトと眠気をもたらし、検査の不快感や痛みを感じにくくするとされています。
検査に対する不安や緊張を和らげます。
薬剤が効いている間の記憶は定着しにくいという特徴があります。これが検査中の苦しい記憶が残らないというメリットとなります。
ミダゾラムが効きすぎると、万が一過剰な鎮静が起きた場合に効果を打ち消す拮抗薬があるため安全性が高いという特徴があります。
鎮静剤なしで、嘔吐反射などが強い状態だと胃が動いてしまい小さな病変を見つけるのが難しくなる可能性があります。鎮静剤があれば良い条件下で落ち着いた状態で検査ができます。
最も大きな副作用で呼吸が浅くなる、弱くなるなどの症状で酸素飽和度の低下・呼吸停止の可能性があります。検査時はパルスオキシメータという器具を使用して、慎重に酸素化を管理し安全に検査を行っております。
血圧が大きく下がる場合はあるため、薬の調節が必要なことや、血圧の状態に応じて点滴を増やす、拮抗剤を使用するなど安全に配慮して検査をしております。
上記以外にもめまいや嘔気、ふらつき、点滴を入れたところの血管痛を認めることがあります。
通常量では効果があまり得られなかったり、脱抑制という無意識に暴れてしまうなどの症状が出現することがあります。
血圧低下や酸素の状態が悪くなりやすいため鎮静剤を使用しないか、仮に使用するとしても通常より少ない量で慎重に行います。
検査後一見しっかりしているように見えても薬剤の影響が数時間残るため運転はできません。検査当日は無理せずに安静に過ごしてください。
当院では検査後に結果説明をしますが、その場では理解できても帰宅後に稀に説明内容を忘れてしまうことがあります。その場で検査結果の用紙もお渡ししますが、もし再度説明を聞きたいなど希望があれば気軽にお問合せください。
プロポフォールは本来内視鏡検査での麻酔には使用されていませんでしたが、安全性や作用時間が短いことから、早く目が覚めて検査後に速やかに帰宅できる薬剤として使用されることがあります。また非常に早く成分が抜けるため、脱力感が続くことは少ないとされています。
中枢神経に抑制的に働き、催眠、鎮静、抗不安効果が発揮されます。鎮痛作用はないものの吐き気や嘔吐の副作用が少ないとされています。ミダゾラムと異なり健忘の作用はないため、検査後の説明の内容もしっかり覚えているのが特徴です。
効果的な鎮静剤ではありますが、拮抗薬(薬の効果を中和する薬)がなく血圧低下や舌根沈下による無呼吸などの副作用が報告されているため適切な対応と体制を整える必要があります。
プロポフォールの成分としてダイズ油や卵に含まれるレシチンなどの成分があるため卵や大豆にアレルギーのある方では使用できないため注意が必要です。
2025年6月に新規に保険適応となった鎮静薬です。ミダゾラムと同様にベンゾジアゼピン系の静脈麻酔薬ですが、作用の開始が早く、また半減期が約50分程度と非常に短くなっています。検査後意識が戻るのが早い、歩行可能になるまでの時間が短いなどの利点があります。
ミダゾラムと同様に作用に関しては鎮静、催眠作用、抗不安作用、前向性健忘作用があります。副作用に関しては呼吸抑制、循環障害(血圧低下など)、めまいや嘔気、ふらつき、点滴を入れたところの血管痛を認めることがあります。従来の鎮静剤と比較し、血管痛は少ないとされています。
ミダゾラムと同様に拮抗薬としてフルマゼニルがありますが、フルマゼニルの半減期も50分前後とされております。拮抗薬の効果がある間にアネレムが体内から抜けていくため拮抗薬を使用後にリバウンドとして再度脱力などの効果が出るのが少なくなります。
以上のようにメリット、デメリットがありますが理解した上で適切に使用すれば安全で苦痛が少なく胃カメラ、大腸カメラ検査ができます。
当院では鎮静剤の使用に習熟しており、鎮静剤の使用以外にも胃カメラは細径のカメラ、大腸カメラは個々の既往歴や体格に合わせたカメラを使用するなど苦痛に配慮した内視鏡検査を行っております。
内視鏡が怖い、以前受けてとにかくつらかったといった方は一度お気軽にご相談ください。お話を聞いた上で個々にあった方法を提案していきます。
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