2026年6月09日

大腸カメラ検査と聞くと、「痛そう」「苦しそう」「以前つらかったので不安」と感じる方も少なくありません。
しかし、大腸カメラ検査は大腸がんや大腸ポリープ、炎症性腸疾患などを早期に発見するために非常に重要な検査です。
今回は実際検査を受けていただいている時に関して解説をします。
苦痛を少なくするために当院で大切にしていること
当院では、患者さまの不安や苦痛をできるだけ軽減し、安心して検査を受けていただけるよう、鎮静剤・鎮痛剤の使用、内視鏡スコープの選択、挿入方法、体位変換や腹部圧迫など、さまざまな工夫を行っています。
① 鎮静剤・鎮痛剤を使用する
大腸カメラ検査を楽に受けるための方法の一つが、鎮静剤や鎮痛剤の使用です。
鎮静剤を使用することで、眠っているようなリラックスした状態で検査を受けられる場合があります。また、鎮痛剤を併用することで、検査中の痛みや違和感を軽減しやすくなります。
特に、以前の大腸カメラ検査で痛みが強かった方、緊張が強い方、検査に対して不安が大きい方には、鎮静剤・鎮痛剤の使用が有用な場合があります。
これらの製剤は副作用もあるため患者さまの年齢、体格、基礎疾患、当日の体調に応じて、安全面に配慮しながら薬剤を調整します。
② 体に合った内視鏡スコープを選択する
大腸カメラ検査では、患者さまの体格や腸の形、過去の手術歴、便秘の有無などによって、適した内視鏡スコープが異なることがあります。スコープ自体は細く、柔らかい物や太く硬めのスコープなどそれぞれ特性があります。
大腸は人によって長さや曲がり方が異なります。またお腹の手術をした方に関しては癒着により痛みがでたり、スコープの動きに制限がでることがあります。このため検査前の診察で詳しくお話を聞いております。
・体重
・便秘、下痢などの症状の有無
・開腹歴に関して
・過去の内視鏡検査の内容(時間がかかった、痛みがあったなど)
・検査で特に心配なこと
当院では検査前に状況を確認しながら、できるだけ負担が少なく、安全に検査を進められるようにスコープを選択します。
細めのスコープや操作性のよいスコープを適切に使い分けることで、挿入時の違和感や痛みを抑えやすくなります。時に検査中に他のスコープの方が検査を安全にできると判断される場合はスコープの入れ替えを行う場合があります。
③ 水浸法など、挿入方法を工夫する
大腸カメラ検査で苦痛が出やすい原因の一つに、空気で腸がふくらむことがあります。腸に空気が多く入ると、お腹の張りや圧迫感、痛みにつながることがあります。
そこで当院では、患者さまの状態に応じて、水を使いながらスコープを進める「水浸法」などの挿入方法を取り入れています。

水浸法では、空気をできるだけ多く入れずに、水を利用して腸管を自然に開きながら内視鏡を進めます。腸が過度にふくらみにくいため、お腹の張りや痛みを軽減しやすいという特徴があります。
また、水によって残渣や泡が流れやすくなり、腸の中が見やすくなる場合もあります。観察しやすい状態を作ることは、病変の見落としを減らすためにも大切です。
大腸カメラ検査では、単にスコープを奥まで入れるだけでなく、どのように挿入するかが患者さまの負担に大きく関わります。当院では、できるだけ腸を無理に伸ばさず、自然な形で挿入できるよう心がけています。
④ 体位変換や腹部の圧迫で楽に挿入できるようにする
大腸はお腹の中で固定されている部分と動きやすい部分があります。そのため、検査中に腸がたわんだり、スコープが進みにくくなったりすることがあります。この時無理にスコープを押したりして腸管にループを作ってしまうと痛みの原因となりえます。
そのような場合には、患者さまの体の向きを変える「体位変換」や、看護師・スタッフによる適切な腹部圧迫を行うことで、スコープが進みやすくなることがあります。
例えば、左側臥位、仰向け、右側臥位などに体位を変えることで、腸管の位置や水・空気のたまり方が変化し、スムーズに挿入できる場合があります。また、腹部を適切な方向から軽く圧迫することで、腸のたわみを抑え、無理な押し込みを避けやすくなります。
体位変換や腹部圧迫は、患者さまにとって大きな負担にならないよう、声かけを行いながら丁寧に実施します。
楽に検査を受けるためには、事前の相談も大切です
大腸カメラ検査の感じ方には個人差があります。
過去に検査でつらい思いをした方、腹部手術歴がある方、便秘が強い方、不安が強い方は、事前にご相談ください。
当院では、患者さま一人ひとりの状態に合わせて、鎮静剤・鎮痛剤の使用、スコープの選択、水浸法などの挿入方法、体位変換や腹部圧迫を組み合わせ、できるだけ負担の少ない検査を目指しています。
大腸カメラ検査は、大腸がんや大腸ポリープの早期発見に役立つ大切な検査です。
「痛そうで不安」「検査を受けるか迷っている」という方も、まずはお気軽にご相談ください。